〈ニュース〉撮り鉄が駅長に暴行


人に迷惑掛けてまで電車を撮る必要はない

大阪府吹田市内のJR京都線岸辺駅で、鉄道ファンの若い男性が駅のスタッフの胸ぐらをつかむ様子の動画がツイッターに投稿され、物議を醸している。

男性は、ホームのベンチの上に立って撮影しようとし、スタッフが注意すると男性が逆ギレした。JR西日本では、「安全のため注意したことを理解していただいた」として、警察に被害届を出す予定はないという。

ホームのベンチの上に立って撮影しようとして、注意される

黒いTシャツ短パン姿でカメラを持った男性が、電車がホームを通過する中、靴を脱いでベンチの上に立っている。そして、駅のスタッフが、男性に向き合って話しかけていると、男性が何か叫びながらベンチから降りた。

「調子乗んなよ、おい!」。男性は、靴を履いてこう怒鳴ると、スタッフの胸ぐらをいきなり左手でつかむ。これに対し、スタッフは、右手を出して制止すると、男性は、その手を振りほどくようにして、ホームの先の方に小走りで逃げた。

この9秒の動画は、2021年8月23日ツイッターで投稿された。動画は、100万回以上も再生されており、男性がスタッフに対して取った態度が波紋を広げている。

男性に対する厳しい声は多く、「さすがに引くわ~」「こんな非常識なことするから説教されるんだろ」「これもう警察に突き出した方が良くね?」といったリプライが次々に寄せられている。

友人の撮影に同行したという人は24日、J-CASTニュースの取材に対し、現場にはそのとき、廃車回送を撮ろうと鉄道ファンが30~40人ほどいたと状況を説明した。この回送は、過去に数回しかケースがない希少な車両の組み合わせだったため、撮り鉄の人気を集めたという。

大勢のファンらがホームの先頭で待機していたところに男性が来て、列車が通過する直前に男性がベンチに上って撮影しようとしたところ、スタッフに注意され、男性は、それに腹を立てて言い合いになったそうだ。男性がその後撮影を終えると、スタッフが男性に話しかけ、「ルールを守れないなら撮影に来るな」と注意をしてその場が終わったとしている。

「注意した理由を説明して理解を得られたので、被害届は出さない」

現場で目撃したというこの人は、「私は、駅員の仕事の邪魔にもなりますし、他の人の迷惑にもなりますし、止めてほしいと思いますね」と男性の行為に憤った。

今回のトラブルについて、JR西日本の近畿統括本部は8月24日、広報担当者が発端を次のように取材に説明した。

「23日は、朝7時24分に廃車回送の列車が岸辺駅を通過しましたが、その3分前に下りの普通電車が岸辺駅に着いて、鉄道ファンの方など20~30人が降りてきました。そのうちの1人が当の男性です。ファンの方が集まるというので、ホームの警備のため応援に来たスタッフが4人おり、うち吹田駅長がベンチに立っている男性に気づき、危ないので降りるように注意したところ、胸ぐらをつかんできたと聞いています」

ベンチに立てば、転倒するなどして、本人がケガをしたり、他の乗客にぶつかったりする恐れがあり、ホーム上の安全のために注意した、と広報担当者は話す。男性が逃げた後、吹田駅長が追いかけて、こうしたことをその場で説明したそうだ。

胸ぐらをつかんだ男性の行為について、警察に被害届を出すなどの対応をするかについては、「注意した理由を説明して理解していただきましたので、被害届は出していません。今後についても、何も予定していません」と答えた。

J-CASTニュース編集部 野口博之)

集まった鉄道ファンら。手前が男性が立ったベンチ(ツイッターの投稿写真から)


(出典 news.nicovideo.jp)

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