〈ニュース〉蚊に刺されやすい人の特徴と対策
カ(蚊)は、ハエ目(双翅目)糸角亜目カ科(学名: Culicidae)に属する昆虫である、イエカ属、ヤブカ属、ハマダラカ属など35属、約2,500種~約3000種が世界に存在し、うち日本は100種程度である(東京都福祉保健局による)。ヒトなどから血液を吸う吸血動物であり、種によっては各種の病気を媒介する衛生害虫である。 43キロバイト (6,458 語) - 2021年8月20日 (金) 03:55 |
夏に悩まされるイメージの強い「蚊」ですが、夏の終わりから秋にかけても注意が必要なようです。蚊といえば、「血液型がO型の人が刺されやすい」「お酒を飲む人はよく刺される」といった情報がありますが、事実でしょうか。
どのような人が蚊に刺されやすいのか、血液型は刺されやすさに関係あるのかといった疑問について、害虫防除技術研究所(千葉県八千代市)代表で、蚊よけ商品の効果を判定する試験などを手がける会社、モストップ(同)取締役の白井良和さんに聞きました。
「O型が多い」研究はあるが…
Q.蚊に刺されやすいのは、どんな人でしょうか。
白井さん「蚊は人が発する熱、二酸化炭素、水分を触角と小あごひげで感じて、人に近づきます。従って、体温が高い人、炭酸飲料を飲んでいる人や活発な人といった二酸化炭素を多く出している人、やや汗かきや皮膚がみずみずしい人のような、皮膚の水分量が多い人が刺されやすいです。お酒は飲むと分解されて、二酸化炭素となるため、酒を飲むことによっても、蚊に刺されやすくなる可能性があります。
また、蚊は視覚も駆使して人に近づきますが、黒や紺といった暗い色、濃い色に誘引されて寄ってきますので、日焼けしているなど色黒の人の方が刺されやすいです。その他、顔の皮脂、足裏の臭いであるイソ吉草酸、アミノ酸、汗中の乳酸などの化学物質にも誘引されますので、顔が脂ぎっている人、足や体に汗をかいている人にも寄ってきます。
また、体脂肪量が多い人や前腕の体積が大きい人ほど刺されやすいというデータもあり、太っている人も刺されやすい可能性があります。一方、汗についていえば、汗は体温を下げるためにかきますので、大量に汗をかいて皮膚に水分が多く、皮膚が冷たくなった状態ですと、逆に刺されにくくなる可能性もあります」
Q.子どもは大人より、一般的に体温が高いといわれます。子どもの方が蚊に刺されやすい傾向があるということでしょうか。
白井さん「子どもは体温が高く、新陳代謝が活発で二酸化炭素や水分を多く発散し、行動も活発なことから、蚊が誘引されやすく、蚊に刺されやすい傾向があることは考えられます。
その他、肌の露出が多い服装をしていることが多く、蚊が多い場所(草むらなど)付近での行動が多くて、刺される頻度が高いこと、また、蚊に刺されたときの反応が子どもでは遅延型反応が長く続いて、赤く腫れる刺され痕が多く残って目立つといった理由も加わって、『子どもは刺されやすい』という印象が強い可能性があります」
Q.血液型によって、刺されやすさが違うというのは事実でしょうか。
白井さん「1972年、イギリスの研究者ウッド氏らが、人間の血を吸ったガンビアハマダラカ(マラリアを媒介する蚊)の腸内の血液を調べた結果を発表し、蚊に刺されやすい血液型はO型が1番で、B型、AB型と続き、最も刺されにくいのはA型であったと報告しました。ウッド氏は別の種類の蚊で、血液型物質が誘引するかどうかについて研究結果を発表していますが、複数の研究者によって、否定的な見解が示されています。
一方、私は大学院でヒトスジシマカ(『やぶ蚊』とも)を用いた実験を行い、蚊に刺される頻度がO型、B型、AB型、A型の順番だったという結果を2004年に報告しました。ただし、だからといって、『0型だから刺されやすく、A型だから刺されにくい』とは断定できません。血液型の違いが皮膚の表面に及ぼす影響は極めて小さいからです。
刺されやすさの違いは、先ほど述べた、熱、二酸化炭素、水分といった別の要因による部分が大きく、蚊に刺されやすいタイプの人(体温が高い等)が、その血液型の人の中で割合的に大きいか小さいかということになっている可能性もあります。実際、O型で刺されにくい人もいますし、A型で刺されやすい人もいることから、血液型だけでは、蚊に刺されやすいかどうかを決めることはできないものと考えられます」
Q.今夏の蚊の発生状況や活動状況を教えてください。
白井さん「6月には例年通り、蚊が発生し活動しましたが、7月に猛暑と晴天が続いて、蚊幼虫の発生する水たまりが干上がり、減少したと考えられます。8月の大雨で蚊の幼虫発生源が流された所は蚊が減りましたが、残った雨水の水たまりで、今後、猛暑でない30度前後の気温が続くと、幼虫が繁殖して、蚊が増える可能性があります。
例年、9月は蚊が非常に多く、家の中や車の中にまで人を追い掛けて入ってくる季節になりますので、これからの時季は特に、注意が必要です」
Q.蚊に刺されやすい人が刺されないようにするための対策を教えてください。
白井さん「長袖、長ズボン、靴下、サンダルでない靴の着用等で肌の露出を少なくすること、蚊よけに有効な『ディート』や『イカリジン』を含む虫よけ剤の使用、携帯型蚊取り線香や携帯型蚊取り器の使用は大切です。
その他、白、黄色、薄いピンク色といった明るい薄い色の服を着たり、ゆったりとした大きめの服を着て、服に蚊が止まっても皮膚まで遠すぎて刺せなくしたり、うちわや携帯型扇風機で自分に風を送るなどして、寄ってくる蚊を吹き飛ばすといった対策も挙げられます」
オトナンサー編集部
(出典 news.nicovideo.jp)
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